遺言で「遺産を渡さない」と書かれていても相続分はある?

遺言で「遺産を渡さない」と書かれていても相続分はある?

相続には「遺留分」という制度があります。
これは、ある相続人にとって特に不利益な遺言内容であった場合、「私にも最低限の遺産をください!」と主張できる制度です。

例えば、Y男さんが亡くなったとします。
Y男さんは「キャバ嬢のM美に全財産を相続させる。家族には1円も相続させない。」という遺言を残していました。Y男さんには専業主婦の奥さんと小学生の子どもが1人いました。もし全ての遺産をキャバ嬢のM美さんが相続してしまったら、Y男さんの奥さんと子どもはたちまち生活に窮してしまいます。

このように、あまりにも不利益をこうむる相続人がいる場合、「私にも最低限の遺産をください!」と請求することができるのです。これが「遺留分」です。

しかし、「遺留分」をもらうにはいくつかの条件があります。

■「遺留分」の注意点■

a.遺留分は請求しなければもらえません。
b.遺留分の侵害に気づいたときから1年以内、または相続開始から10年以内に請求しないと、権利が消滅します。
c.亡くなった人の配偶者・子ども、亡くなった人の両親や祖父母が相続人である場合に遺留分を請求できます。
d.亡くなった人の兄弟姉妹や甥姪は、遺留分を請求できません。

 

■「遺留分」の割合■

①相続人が、亡くなった人の両親や祖父母だけの場合、法定相続分の3分の1です。
②相続人に配偶者や子どもがひとりでもいる場合(①以外)は、法定相続分の2分の1です。

 

ですから、Y男さんのケースで、奥さんと子どもが「遺留分」を請求した場合
 ○キャバ嬢のM美さんが全遺産の2分の1
 ○奥さんと子どもが全遺産の4分の1ずつ(法定相続分の2分の1ずつ)
を相続することになります。

 

「遺留分」を侵した遺言を書くと後々もめ事になりやすく、関係する親族に大変な思いをさせることになりかねません。

このことを踏まえて、もめ事が起きないような遺言書を作ることをおすすめします。