認知症の人が遺言を書くと無効!?

認知症の人が遺言を書くと無効!?

遺言を作るときに最も重要なのは「遺言能力」があることです

遺言能力とは、遺言者が遺言内容を説明することができ、また、遺言にどんな効力があるのかを理解し判断できる能力です。この能力が欠いていたと見なされると、遺言は無効になります。

 

ときどき
「私の親は認知症だから公正証書遺言は作れない。だから自筆証書遺言を作ってほしい」
と頼まれることがあります。

しかし、「公正証書」であろうと「自筆証書」であろうと「遺言能力」が必要なことに変わりありません。

遺言者が認知症にかかっていた時に遺言が作られると、後日遺言能力を争う一因となってしまいます。

遺言を作るのは無駄な争いの種を作らないためなのに、これでは本末転倒です。

 

そこで、のちのち認知症による無効を訴えられないようにするには、遺言作成時、医師の「診断書」などの客観的な証拠をとっておくことです。これにより、遺言能力に問題がなかったことの証明ができるのです。

もっとも、認知症が疑われてから慌てるのではなく、お元気なうちに遺言を書いておくことが望ましいのはいうまでもありません。