成年後見

成年後見人が行う財産管理とは!?

こんにちは!行政書士の閑田です!

成年後見人が行うのは財産管理というが、実際は何をやっているのだろう?と思われていることがあります。この記事では、私が成年後見人として普段行っていることをご紹介します。

みなさんは請求書が届いたら毎回ちゃんと内容を確認していますか?

私は自分が使った分は結構いいかげんにしか見ていません。

しかし!成年後見のお仕事では、被後見人宛ての請求書や通帳の入出金状況は少なくとも月1回は確認します‼(仕事なので当たり前ですが)

請求書

実は、個人的には今どき請求内容に不備なんてほぼないと思っていました。しかし、この5年で3回も請求ミスの事例がありました。私が担当している案件だけで、です。結構多いですよね。

では、どんな事例か具体的に見てみましょう。

<請求ミスの具体例>

  1. 大部屋に入院していたのに、個室料金で請求された
  2. 入院中の高齢者施設費用で、使っていないはずの洗濯代行費や定期巡回費を請求された
  3. 定期購読の新聞代が二重に引落されていた

1は病院の請求ミスです。入院当初は個室に入り、途中から大部屋へ移動したケース。看護師さんやソーシャルワーカーさんは部屋の移動を把握しているのですが、経理部への連絡がうまくいかなかったのでしょう。経理担当者へ指摘すると、すぐに請求書を修正してくれ、事なきをえました。

2は、高齢者施設費用の請求ミスです。一般的に、サービス付高齢者住宅入居中に入院した場合、家賃と共益費は請求されます。サ高住は賃貸借契約なので、アパートを借りているのと同じで、入院中も部屋代はかかります。しかし、入院中は施設でのサービス(食事、洗濯代行、定期巡回など)を使わないため、これらの費用はかからないことが多いです。それが、請求書を見ると、しっかり請求されていました‼
しかも、驚いたことに立て続けに2ヶ月連続で同じミスを発見(汗)。

成年後見がついていない高齢者ならご自分で請求書を確認されていることと思います。しかし判断能力が低下してきた方がご自分で請求書のミスに気づくことは少ないです。上のケースでは、成年後見人が指摘して過剰請求分は返金されましたが、指摘していなければ請求書通りそのまま支払ったままになっていたでしょう。

3は、新聞代が同じ月に2回引落されていました。

原因は、引越しに伴うものでした。この時ちょうど引越しをした直後で、引越し前の新聞販売店の請求が止まっていない状態で、引越し後の新聞販売店からも請求されていたのです。確認したところ、引越し前の販売店の請求止め忘れでした。口座振替は便利ですが、利用しなくなった後の止め忘れには注意が必要です。こちらも成年後見人が二重引き落としを指摘したことで、無事返金されています。

おわりに

成年後見人は被後見人の財産管理を行うのが業務の一つです。ご本人の財産を守るために、ご本人に代わり遺産分割協議を行ったりすることもあります。それ以外に、これらの請求ミスがないかも普段からチェックしています。

判断能力が低下してくると、請求書を確認することがおっくうになるだけでなく、訪問販売で不要なものを買わされたり、適当な契約で損をさせられたりといった心配ごとが増えてきます。

ご家族にこういった管理を任せられる人がいればいいですが、親族がいない場合、我々のような専門職後見人に管理を依頼することも一つの方法です。